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南の島の鍛冶屋

 

昨年は、籠の調査のため、沖縄にある集落を随分とまわったが、

この地には、籠の他にもう一つ用事がある。

美しい刃物をつくる鍛治職人がつくり暮らしている。

 

今回も工房に立ち寄ってみると、

お願いしていた包丁と小刀がほとんど出来上がっていた。

 

鍛治というものは、知れば知るほど奥が深い。

いくつもの工程を、あらゆる感覚を研ぎ澄まして進めていく。

 

「いろいろやることはあるが、出来上がったものからは分からない。」

たしかに形になった品物からは、その労はみられない。

 

訪ねるたびに丁寧な説明を受けているが、

店ではああだこうだと口にするより、

この刃物に籠めておくのがよいと感じている。

 

この日、ひとつの刃物に目がとまった。

きけば昔の和釘でつくったのだという。

非常に美しいものだった。

欲する心を抑えておくのがやっとであった。

 

まずは制作いただいた品物に向き合うとする。

 

2017年10月18日 | 日記